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2011/10/16

テニー博士の平和セミナー その後 (1)

太平洋に面した絶壁の地層

木の根が張り、岩場を壊しています。
恐るべきパワーです。


8月にあった平和セミナーの「テニー博士講演会」では、子供たちから大変な反響をいただきました。


「戦争の悲惨さがわかってよかった。」「教科書に書かれていない戦争のことを知った。」「体験者から直接話が聞けてよかった。」などです。

私にとっても、色々なことを学ぶきっかけになりました。そして、いくつかの新しい出会いもありました。


2人の日本人女性についてお話したいと思います。お2人とも80代の女性で、「戦争花嫁」としてサンディエゴに嫁いでこられました。


Aさん、Bさんとお呼びすることにします。AさんとBさんは、数十年来のお友達で、コミュニティー新聞の広告で今回のセミナーのことを知り、参加してくださいました。30分も前から来てくださり、最前列に座っていらっしゃいました。


A さんのご主人は、テニー博士のように元戦争捕虜(Prisoner of War  通称POW)です。結婚して60年以上たつのに、ご主人は一言も捕虜時代のことをお話にならないそうです。奥様のAさんがご主人の過去を知るいい機会だと思い、今回のテニー博士のセミナーに参加されました。


テニー博士のお話は、子供たちがあまりショックを受けないように、かなりマイルドな内容でしたが、それでもAさんにとっては、かなりの衝撃だったようで、翌日入院されてしまいました。Aさんはテニーさんの話の行間を読み、ご主人の苦しみを知ってしまったのでしょう。  

たまたま、Bさんに私の私物のテニーさんの日本語訳の本をお貸ししていて、お電話をいただき、話の流れで、Aさんの入院のことを知り、心を痛めておりました。しばらくして無事に退院され、私もホッとしました。

最愛の奥様にすら、自分の体験談をシェアできなかったAさんのご主人の心の闇を思い、とても辛く思いました。かつての敵の国からお嫁に来た奥さんを守り、日本の血を半分受け継ぐ子供たちを育ててこられたのは、立派なことです。しかし、その中で、きっと複雑な思いがあったはずです。

その後Aさんとお話しする機会はありませんが、Bさんによると、「それでも、テニー博士の話を聞けてよかった。知らなきゃいけないことだった。」とAさんは感謝してくださっているそうです

体験談を後世に伝えてくださる方がいる一方で、いまだに経験を口にさえできない方もいらっしゃることを知り、悲しく思いました。


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